ストーリー
お父さん、役者になります。
サラリーマン、浅野拓巳(あさのたくみ)は、家族のために仕事に全てを捧げてきた。自分を押し殺し、頭を下げ、言いたいことも言わずに我慢し、会社の部長まで上り詰めた。しかし、いつしか家族は、誰も拓巳と話さなくなっていた。
ある日、拓巳は飲み屋で強烈な男と出会う。豪快、破天荒、昭和初期の映画から抜け出してきたような、
その男の名は虎山丈一郎。劇団「野生の王国」の役者だった。
丈一郎の野生的な魅力に引き付けられ、拓巳はその場で弟子入りを頼み、劇団に入団することに。
そこは毎日、掃除洗濯、くたくたになるまでの稽古、そして強烈な個性の劇団のメンバーたち。
昔の自分の輝きと家族の信頼を取り戻す為、拓巳は劇団の一番の下っ端として悪戦苦闘するのだが…。
コメント
この主人公の浅野は普通の平凡なお父さんだが、あんな風に堂々と声を出して台詞を叫べば、もう上手い下手の問題ではない。
人の魂の自由が言葉に乗っかる。
かっこよく、眩しかった!
松村武(劇団カムカムミニキーナ 主宰)
日本映画でこんなに全編舞台演技で押し切る作品は蒲田行進曲以来かもしれない。
その潔よさと信念とバカ正直さは観てる者の気持ちを無性に掻き立てる。
俺ものんびり映画なんか観てる場合じゃ無いと急に全力で走り出したくなる鑑賞感。
この作品には演劇人の心地よい腕力を感じます。
寺十吾(tsumazuki no ishi主宰)
笑って、泣けて、元気をもらえる!
いつの間に、夢見ることを忘れた全国のオジさんにエールを送る、
これがニッポンの喜劇だ!!
くれい響(映画評論家)
うちの劇団にもオジサンが集まっています。
何かを夢見て、何かを探して、無心に稽古する姿は、
禿げていてもキラキラした少年に見えます。
鯨エマ(NPO法人シニア演劇ネットワーク理事長)